お金より、信用より、大切なもの(後編)

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●価値には3種類ある

 

こちらは前編で紹介したメタップス佐藤氏が、出演した番組です。

▲株式会社メタップス代表取締役CEO 佐藤航陽が語る『「お金2.0」が予言する7つの未来』

動画の中では”『お金2.0』が予言する未来”として7つのトピックが取り上げられています。

特に重要だなと感じたのは、佐藤氏が<価値の3分類>として
①有用性としての価値/②内面的な価値/③社会的な価値を解説する部分です。

①有用性としての価値を一言で説明すれば、「役に立つかどうか」に依存する価値(=資本主義)

②内面的な価値とは、愛情・共感・興奮・好意・信頼など、個人の内面にとってポジティブな効果を及ぼす価値。

③社会的な価値とは、個人ではなく社会全体の持続性を高めるような価値。

動画のなかで、②の典型としてYouTuberをあげます。③については、政治の領域を経済で解決しようとする社会起業家のような領域の仕事をあげています。

 

●3つの価値は共存しつつ、順序だっている

書籍の中では①②③を並列に扱っているような印象を受けましたが、動画では①をクリアして②へ、②をクリアして③へ行くといった、明確なフェーズとして認識されていることが理解できました。

つまりは、ある程度物質的な豊かな社会でないと、内面的価値に重きは置かれない。
また、精神的(内面的)充足をしてはじめて、社会性を持った取り組みをするに値する、というようなイメージです。

動画を見るとあたかも「10年後の未来はこうなる」という予言に捉えがちですが、①⇢②⇢③という流れは個人の自己実現のルートと全く相似形をなしており、現在においても③まで進んでいる方はたくさんいるということです。

ビル・ゲイツ氏やザッカーバーグ氏を筆頭に米国の大富豪は財団を設立したり、多額の寄付を通じて社会に貢献していますし、トランプ氏だったりブルームバーグ氏だったりは、ビジネスから政治の領域へ軸足をシフトさせています。

資本主義での成功者が、内面主義の充足を経て、社会的貢献に向かっていく流れが、今後もっと加速していくと捉えて間違いないでしょう。

そして、この議論を通じて落合陽一氏のツイートに戻ります。

『ポジションを取れ.批評家になるな.フェアに向き合え.手を動かせ.金を稼げ.画一的な基準を持つな.複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ.あらゆることにトキメキながら,あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ.明日と明後日で考える基準を変え続けろ』

ですが、これを①②③の価値に分類していきましょう。

①ポジションを取れ、批評家になるな、手を動かせ、金を稼げ

②複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ、あらゆることにトキメキながら生きろ

③フェアに向き合え、画一的な基準を持つな、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ、明日と明後日で考える基準を変え続けろ

といったところでしょうか。(恣意的である部分もある点、ご了承ください)

つまり、

①まず自ら行動して分かりやすい価値を生み出すことだ重要で、その後、
②心をワクワクさせる活動に従事することを大切にし、それが満たされたら、
③社会をまっさらな目で見て働きかけよう、

というメッセージだと解釈することも可能だということです。「ポジションを取れ」とはその全てのはじまりにある言葉なのです。

ちなみに落合陽一氏のツイートは、新著の帯にも採用されています。

落合陽一『日本再興戦略』

 

●お金より、信用より、大切なのは、俯瞰できること

たとえば「お金を十分稼いだらあとは引退するだけだ」と言っている人は①だけの価値しか見ておらず、②③の価値を見過ごしています。ゆえに虚無感に苛まれたり、人生の目的を見失ったりします。

①がうまく周りはじめたら、ムダだと思っても②を開始する。そして②が軌道に乗ったら、手間かもしれないが③の価値に足を踏み入れる、そうすることで、新しい社会のルールに全張りすることが可能になります。

橘玲氏の『幸福の資本論』における3つの資本に順番を設けた(①金融資本⇢②人的資本(やりがい)⇢③社会資本)のが、佐藤氏の動画での解釈だったように思います。

 

「信用経済」という言い方もされますが、まず①を満たせない人は、人に与えることもできないので、最低限の経済力は絶対に必要でしょう。その上で社会貢献などで信用や社会資本を蓄積していく必要があるという話だと私は捉えています。

というわけで、何を言いたかったのかというと、『お金2.0』を読んで俄に「これからはお金が要らない時代なんだ!」と早とちりしてはダメで、むしろお金・精神(内面)・社会貢献のバランスが問われるようになっていきますよ、あるいは、順々にクリアして行く必要がありますよ、という話です。

近視眼的に生きていると行き詰まりがちなので、つねに息抜きしながら自らを俯瞰できることが大事なんじゃないかなと個人的には思うわけでした。

 

おしまい

 

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