好きなことで、生きていく?

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就活工学サロンという就活生向けのオンラインサロンを運営していています。

そこですすめているもので落合陽一氏の『これからの世界をつくる仲間たちへ。』という書籍のがあるのですが、なかでも非常に有益かつ汎用性がある箇所があったので、ここに文章にしておきます。

視点としては、社会を進化させる技術の主役がITになったことで労働をめぐる環境はどう変わっていくのか、といったところでしょうか。

 

大企業が有利ではない

書籍のなかで「大企業に入ると有利なのか」という問いが発されます。これは、企業の持つ資本の意味の変質を指摘するための補助線でもあります。


「これからの若い世代はIT企業への就職を目指したほうがいい」と単純に考えている人が少なくないと思います。…しかし、このIT化が起こした革命の本質は、そんな小さなところにはありません。先ほど述べたとおり、資本家に物理的なリソースが必要なくなったことが最大の変化であり、本質です。

それを理解していれば、「IT企業に入社すればいい」という考え方になるはずがありません。…ここで僕が話しているのは、「いかにIT企業に潜り込むか」ではなく「IT世界でいかに生き延びるか」なのです。グーグルのようなIT企業に入ったところで、何の専門性もないホワイトカラーとして働くのでは、やはり絶滅危惧種になるだけでしょう。

…大事なのは、自分の能力を活かすために資本か組織が必要かどうかということ。大企業を選ぶかどうかは、それを見極めた上で判断しなければいけません。旧来の資本主義社会では、資本があることが企業にとっての必要条件でした。だから巨大な資本を持つ大企業に入ることが誰にとっても基本的には有利だったわけですが、いまはそうではない。IT世界における資本は、企業の成功を約束する勝ちではなくなったのです。

−書籍より引用


資本の意味が工場や生産設備から、人々の知識・センスにシフトしているということでもあります。

就職活動においては、「大規模な資本があることだけを企業選択の基準にしてはいけないよ」ということですね。実はこれトップ層の就活においては10年以上前から、見られている傾向です。

自動車・家電メーカー・インフラ・資源などの大資本企業は2000年初頭くらいから人気を落とし始め、コンサルティング・投資銀行・ソフトウェアなどに優秀な学生が流れています。

彼らの動機としては、「『会社に入って一生安泰』なんて物語はもはやないのだから、自分に経験や知識・人脈やスキルをためて、いつどこへいっても食いっぱぐれない人材になってやろう」そういうものが見えます。

「どの企業に入るか」というより、「そこに入って何をするのか」のほうが圧倒的に大事で、上の例でいうとグーグルに入って地域営業をやるのと、新サービス開発をやるのではキャリアに大きな差がでます。(ですが、グーグルというネームバリューに引っ張られて多くの会社の営業マンが毎年グーグルに押し寄せているのが現状ですね。まあ、一度グーグルで働いていたという泊がつくのでそれはそれでリターンはあるのだと思います。)

転職市場でも、「以前の企業で何をしていたか」が重視されるわけで、転職後のMTGなどでも「サントリーでプレミアム・モルツやってた人だよ」みたいな紹介をされます。そういう意味でも大資本すぎる企業では、画一化されたルーティンを覚えることが重視される傾向にあるため、個の人材の差別化はしにくく、大企業を一括りにしない視点は重要です。

じゃあ、結局なにを目指せば良いのかという話になります。

 

ホワイトカラーではなく、クリエイティブクラスを目指す

 

ホワイトカラーとは与えられた問題を適切に処理する専門家でした。会計や法律、マーケティングや商品開発含めホワイトカラーの仕事です。コンピューターがメインではない時代、ホワイトカラーがその作業を代替していたのです。しかし、ビッグデータや人工知能が検索や商品レコメンド、翻訳まで行えるようになると、ホワイトカラーの存在意義すら脅かされてきます。

『これからの世界をつくる仲間たちへ。』では以下のような記述があります。

 

これまでの労働者は、「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の2つのクラスに大別されていました。…米国の社会学者リチャード・フロリダは、それとは別に「クリエイティブ・クラス」という新しい階層が存在すると考えました。

 簡単に言えば、これは「創造的専門性を持った知的労働者」のことです。現在の資本主義社会では、このクリエイティブ・クラスがホワイトカラーの上位に位置している。彼らには「知的な独占的リソース」があるので、株式や石油などの物理的な資本を持っていなくても、資本主義社会で大きな成功を収めることができるのです。…フロリダとサローの考えを合わせると、これからは「専門的な暗黙知を持つクリエイティブ・クラスを目指すべきだ」ということになるでしょう。

−書籍より引用

結局、ゼロから何かを作り出せるクリエイティブ・クラスになるべきだということです。落合陽一氏が言うには、クリエイティブ・クラスの仕事とは誰も気づかなかった問題に気づき、それを表面化させ、解決へ導くということなのですが、いったいそれをできるようになるにはどうすればいいのでしょうか。

私はその手がかりは、内発的な動機づけにあると思います。

 

好きなことで、生きていく?

 

内発的動機づけとは、お金のためでもない、怒られないためでもない、その活動がしたいからするという動機づけです。たとえば、一銭の得にもならない趣味の活動などが、内発的動機づけによる活動です。一方で、外発的動機づけとは活動それ自体を楽しむのではなく、何かのために活動するのが、外発的動機づけです。たとえば、本を読むこと自体を楽しんでいるときには内発的動機づけですが、勉強のため、試験に合格するために読むのは、外発的動機づけです。

内発的動機づけは心理学の概念ですが、クリエイティブ・クラスの仕事観にもつながるものがあります。

心自体がワクワクしながらその仕事に取り組めること。そういう対象を追求することが結果的にオリジナルでクリエイティブなアウトプットを準備するのだと。

YOUTUBEが『好きなことで、生きていく』というキャッチフレーズを用いたキャンペーンを行ったのは記憶に新しいですが、まさにそういうことなんです。が、あれを額面通り受け取ると、死にます。

『好きなことで、生きていく』は『好きなことを諦めずに生きていけ』くらいに受け取るのがいいでしょう。『好きなことだけやって、生きていこう』と受け取るとにっちもさっちもいかなくなります。

結局、クリエイティブ・クラスとは「好きなことだけやっている人たち」ではなく、「好きなことを大切にしている人たち」であります。好きなことがあるから頑張れるし、好きなことに関しては誰にも負けないオリジナリティを発揮できる。だから好きなことを頑張ろう。そう受け取るのが戦略上有益です。

 

炎上して話題になりましたが、Wantedly 仲暁子さんが、昔のインタビューで以下のようなことを仰っています。

 

― 仲さんのご経歴や考え方を伺っていると、常識に縛られない自由な気質を感じます。もし、世の中一般で言われている常識の中で、仲さんが懐疑的に見ていることがあれば教えてください。

「そうですね…成功した方々がよく“まずビジョンを描け、理想を持て”と若い人に言うじゃないですか。理想の自分を設定して、そこからの逆算で今の自分に何が足りないかを割り出して、その足りないものを埋めていけば絶対になりたい自分になれるって、そんなの間違ってると思うんです。

― あらかじめ将来のビジョンを描く必要はない?

「そうですね。とにかく今、自分が面白いと思えることを手当たり次第にやることのほうが大切なんだと思います。

自分探しに否定的な人も多いですけど、私はやったほうがいいと思いますね。少なくとも1年くらい“これ興味あるわ”っていうもの全部に顔を出していくようにすると、絶対に何らかの気づきがありますから。

そのうち興味の持続する分野が自然と一つに絞られていって、自分が本当に集中できるものが何なのか分かってくる。その状態は自分が最もワクワクしている状態なので、パフォーマンスも一番高い。だから結果的に、自分の将来像を設定して動いている人と比べて、それ以上の高みに登りつめることができるんです。

−Wantedly 仲暁子に学ぶ、「かっこよく生きる」ための仕事論。│CAREER HACK より

これはモチベーションを大切にして生きようということです。私は最近よく思うのですが、人生で、モチベーションほど大切なものはないんじゃないかという気がしています。どれだけ頭がよく容姿端麗で裕福でも、やる気がないと人生はまったく楽しくない。

資産100億もって生まれて200億にする人生よりは、ゼロから100億にする人生のほうが感じるワクワクや楽しさは大違いでしょう。「これやってるだけでめっちゃ楽しいわ−」と思えるものを瞬間瞬間大事にする。その結果がつながって自分のオリジナリティが形成されていく。

アップルの創業者スティーブ・ジョブズが行った「Connecting dots」につながる考え方だと思いますが、そういうジグザグに進む感じがロールモデル無き現代においてはかなりいい線をいくのではないでしょうか。

 

人生の目標を定めてまっすぐ一心不乱に努力するというのは、たしかに成功への最短距離なのかもしれませんが、頭で考えられる以上最も才能のある誰かにやってもらえばいいことかもしれません。それより、今この瞬間面白いと感じたものを突き詰めて飽きるまでやってみる、そして飽きたらまた違うことを突き詰めてみる、みたいな生き方があとで振り返ったときに変な味を出している気がします。

この記事はそういう視点で過去の自分へアドバイスしています。

パンダから、21歳と26歳の自分への手紙

 

その意味で失敗などありませんし、失敗したとしても後で何かに使えるわけです。

 

失敗を味方につけると、人生は成長軌道に乗るらしい

ポジティブにいきましょう。

 

 

 

 

 

おしまい

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