失敗を味方につけると、人生は成長軌道に乗るらしい

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失敗が好きである。

失敗にはヒントがたくさんつまっている。失敗を無視するのではなく、失敗を分解して考えてみる。そうすると思いもよらなかった発見がある。「失敗」に対してうまく立ち回ることで人生を明らかに好転させることができる。失敗をテーマにしたいくつかのコンテンツを紹介してみる。

 

1)失敗への恐怖は「対策可能」である

失敗への恐怖が生じたとき、「失敗の結果、最悪の出来事はなにか?」ということを自分に問うてみる。そして、その問いへの思いつく限りのすべての答えを箇条書きにする。すべての答えをながめ、その結果「自分は生きていられるかを判断する。もし、生きていられるなら、GOサインを出そう。

But my response to the dread of failure is a little different. I ask myself, “What’s the worst that can happen if I fail at this?” Then I make a list of all the answers — every last one I can think of. Then I review each answer and decide if I can live with that result. If the answer is yes, I go for it.

Small Failures Can Lead to Big Successes

 

ビジネスでも、人間関係でも、恋愛でも、勇気を出す局面に立ったら、気合をいれるよりも、失敗したときの最悪の事態を想定する。そしてiPhoneを取り出し、それを箇条書きにする。

ほとんどの場合は、「なんだたいしたことじゃないな」という感想を抱くはずだ。もし、「失敗したら、ヤバイことになりそうだ」という印象を抱いたら、迷わず退却しよう。事前に対策を打ってからでも遅くはない。

島田紳助は「つねに最悪の事態を想定しながら生きている」とあるテレビ番組で述べていた。「マイナス思考」や「ネガティブ思考」は意識高い系の人々には一蹴されがちだが、真の戦略家は極限までマイナスを想像してそれをプラスに転じるのだと理解している。

 

2)イチロー流・失敗からのヒントをつかむ方法

私が好きなエピソードは、イチローが松井との対談で「凡打をヒントにする」と語った部分だ。

打つつもりがない球にカラダが反応することにより陥ったスランプ。メジャー3年目の春、ファウルフライを売った瞬間「凡打の中にスランプ脱出のヒントがあった」とイチローは言う。

失敗を見つめると「どうして失敗するのか」という原因が見える。逆に「どうしていい当たりがでるのか」というふうには考えると、できなかったときにパニックになる。そうイチローは語る。

 

 

大学時代、個別指導塾で講師をやっていたとき、私はいわゆる偏差値の低い子を担当させられることが多かった。他の教師以上に成績を劇的にあげることが多かったからだ。それは私が彼らのできない部分に着目していたからだと、この対談を聞いて思い直した。「できる人がやるとおりにやりましょう」でも半分くらいの人はできる。しかしそれでも「できない人」には致命的に躓いているポイントが存在し、そこを意識化して補助してあげることで劇的な改善が見られる。

たとえば、国語の成績がとても悪かった男の子がいたのだが、私はその弱点を「読解力」ではなく「語彙力」と認識し、語彙の特訓をした。具体的には熟語の書き取りと意味を毎回テストするという方法だ。すると彼は半年後、コンスタントに90点以上を叩き出し、国語が最も得意な科目となった。希望の中学にも合格し、ご両親からは高いお鮨をごちそうになった。

逆上がりのできない子を見たこともある。大抵の子は補助器具を使えばできるのだが、その女の子は周りの子にくらべて明らかに腕が細かった。私は腕の力をつけることを目的にして、斜め懸垂を週3回するように指導した。3ヶ月後、彼女はなんなく逆上がりができるようになった。

私がやっている恋愛コンサルティングも対象者は童貞や経験が少ない初級者だ。彼らには「できるようになるやり方」を示すとともに、「なぜできないのか」についてのポイントの指摘も行っている。たいていは自己流でなんとかなると思っていた部分が致命的にマズく、一部のやり方を修正するだけでうまくいくパターンが多かった。

おそらくイチローは、「できるとき」と「できないとき」の差異を抽出し比較し、長期的にコンスタントに結果を出し続ける方法論へとフィードバックしているのだと思う。

 

 

3)体系として「失敗学」を学ぶ

 

失敗学のすすめ 畑村 洋太郎

失敗を、未知との遭遇による「良い失敗」と、人間の怠慢による「悪い失敗」の2種類に分け、「良い失敗」から物事の新しい側面を発見し、仮想失敗体験をすることで「悪い失敗」を最小限に抑えることを方法論として問いている。財布を落としてしまったときに後悔するよりかは、なぜ落としてしまったのかを考え、二度と落とさないためにはどういう仕組をつくればよいかを考える。転んでもただでは起きない精神を学ぶことができる。

日々、挑戦して失敗する。それがヒントになって、新しい世界が切り拓ける。失敗は避けるのでなくて、自ら選び取るくらい実りあるものなのである。

「こうすればうまくいく」といういわば陽の世界の知識伝達によって新たにつくりだせるものは、結局はマネでしかありません。ところが、「こうやるとまずくなる」という陰の世界の知識伝達によって、まずくなる必然性を知って企画することは、人と同じ失敗をする時間と手間を省き、前の人よりも1ランク上の創造の次元から企画をスタートさせることができます。

「よい失敗」とは未知への遭遇の中に含まれるもので、細心の注意を払って対処しようにも防ぎようのない失敗を指します。(略)未知による失敗はいたずらに忌み嫌うものではなく、文化をつくる最大の糧として大切に扱うべきです。

誰も到達したことのない未来に行こうとする場合、失敗はつきものであり、それを恐れて行動しないのは本末転倒である。だから失敗を前進する仕組みのなかに組み込んでいかに致命傷にならないかという観点で行動様式を設計していくほうがはるかに生産的なのだ。

 

 

失敗にも「失敗のハインリッヒの法則」とでも呼ぶべきものが存在しています。企業のケースでたとえるなら、新聞で取り上げられる大きな失敗がひとつあればその裏には必ず軽度のクレーム程度の失敗が29は存在し、さらにはクレーム発生にはいたらないまでも、社員が「まずい」と認識した程度の潜在的失敗がその裏にはかならず300件はあるわけです。

(略)大きな失敗が発生するときには、必ず予兆となる現象があらわれます。ハインリッヒの法則に従えば、ひとつの大失敗の裏には現象として認識できる失敗が約30件はあり、その裏には「まずい」と感じた程度の失敗とは呼べないものも含めて300件もの小失敗があるからです。

 

仕事である小学校に調査にいったときに職員室に「ヒヤリ・ハット」集というものが置かれており、大事故ではないまでも教職員や生徒が気づいた注意すべきポイントがまとめられていた。こういう未然の策をきちんと講じている組織が長期的な安定と信頼を手にするのだろうなということを実感したわけである。

このような「失敗−とくに小失敗」を利用するような考え方は「β版思考」とでも呼ぶべき方法論で、あえて小さくスタートし、小失敗をたくさんしておきそのフェーズで穴を防ぐことによって、大きくスケールしたときの大事故を防ぐ手立てになっている。ハイリスク・ハイリターンと言われるが、ローリスク・ハイリターンの作り出し方はこのあたりに隠れていると個人的には考えている。「小さく生み出し、穴を塞いでから大きくする」。

 

 

*****

 

企業や社会ではお題目のように「新しいことに挑戦せよ」というメッセージが発信されているが、本来的にはそれとセットで「失敗を許しましょう」というメッセージがなければならないのである。が、世間にはそんな慈悲などないので自分と仲間のあいだでまずは失敗に関するリスクヘッジとセーフティーネットをつくることから始めるのがいいのかもしれない。

 

おしまい

 

文献リスト

・『失敗学のすすめ

 

 

 

 

 

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